西永福ラブストーリー

モテたい!侍りたい!一夫多妻を夢見る27歳会社員カケルによるハラハラドキドキ!?の恋愛成長日誌

真っ直ぐな瞳と寄り添う声〜褒めるの章〜

彼は私の選んだ人生をありのまま受け入れてくれたー

 

彼女の名は雅美(仮名)35歳。フリーランスのデザイナー。東カレでカケルとマッチングし、彼の優しそうな雰囲気と、テンポのいいメッセージで気になり始め、彼からの食事のお誘いに乗ってみたいと思った。

 

マッチングアプリで初めて異性と出会う雅美にとっては、期待と不安が一緒くたになっていた。

 

待ち合わせ場所で先に待っている彼を見つけて、雅美は恐る恐る声をかけた。

 

「あの…カケルさんですか?」
「あ、雅美さんですね?はじめまして!」

 

アプリで私服の写真の彼しか知らなかったが、やはり社会人だけあって、スーツも靴も綺麗でキチンとしている印象を受けた。

 

ただ、緊張で話し声が本調子にまだなってくれない。だだ、少しずつほぐれたらいいなと、彼に付いていった。

 

「ここならきっと気に入ってくれる」と目を輝かせてレストランへ向かいながら、彼は色々質問を振ってくれた。自分より歳下の20代だが、仕事で責任ある仕事を任されていたり、些細なことにも気を遣ってくれたりと、大人な振る舞いも出来るんだなと雅美は感心していた。


そして、恵比寿のレストランに着いたのだが、思わず雅美の胸は高まった。自分には勿体ないんじゃないかと思うぐらい、想像していたよりもオシャレな場所だった。そして何より、こういうお店をこの若い男は知ってるのかという事実にも素直に感心してしまった。

 

「ここのお店はピザの形がすごく面白いんですよ!」

 

前に一度行った時の興奮を思い出すかのように、彼はオススメやメニューを教えてくれた。いつもメニューで中々食べたいものを決められない優柔不断な雅美にとって、積極的に提案してくれるのは有り難かった。

 

出てくるメニューはどれも美味しいが、やはりまだ緊張していた。しかし、彼がこんなにも楽しませようと頑張ってくれているのだから、もうそろそろ歳上の自分からこの話はしてあげなきゃと思い、雅美はこう提案した。

 

「もう全然敬語じゃなくていいよ。」
「そうね!こっちの方が緊張しなくていいよね。」

 

この言葉がきっかけで、お互い緊張がほぐれていった。

 


そこから、お互いの性格や価値観の話になっていった。

 

私って、仕事ばっかりの人生であまり女性らしさがないの。

 

雅美は最初の就職先がベンチャー企業で、そこでデザイナーを担当していた頃を話し始めた。

 

当時の社長の仕事へ掛ける熱意と、瞳の奥底から光る眼差しの強さに惹かれて、6年間苦楽を共にしていた。

 

しかし、会社の経営顧問が変わってから、社長はまるで洗脳されたかのように、経営顧問の言うことばかりを聞くようになり、会社の雰囲気も少しずつギスギスした環境に変わりだした。

 

そこからついていけないと辞める人も増えるのを見つつも、雅美は仕事をやり続けていた。

 

何より、好きだった会社と社長のために。

 

一方で、雅美は次第に体調が悪くなっていき、限界になりかけたタイミングで周りから救われる形で辞職し、縁あってフリーランスとして勉強しながら仕事をする道を選んだのだ。

 

そんな雅美の苦労と気兼ねしていることを真剣な眼差しで聞いていたカケルは、静かに口を開いた。

 

「そうだったんだね。でも、実は誰かのために自分の身を粉にして尽くそうという気持ちは、母性本能で女性らしさじゃないかな?
「そう?」
「そうなんだよね。昔から女性は子どもや大切なものを守る本能として備わっていて、そういうところで女性らしいと思うよ。そして、誰かのために一生懸命になれるのが、まーちゃんのいいところだと思う。何も、タピオカキャピキャピ映え映えだけを女性らしさとは言わないでしょ?
「言われてみると、たしかにそうかも。」

 

雅美にとって、苦労の絶えなかった自分の人生をありのままに受け入れてくれることに、嬉しさと安堵が入り混じったような不思議な感覚を覚えた。

 

本当にこの人と話していて自然と気持ちは明るくなってしまう。こうして話に夢中になる内に時間はやって来た。

 

「今日はこの辺にしようか。今日は写真通り、本当に綺麗な方が来てくれて良かった。
「そんな、自分なんて全然だよ。」
「そんなことないよ。本当最近写真を盛り過ぎてなんか違うかも?とか、もはや誰?みたいな人とか普通にいるから、そういう意味ですごく安心したよ。」
「ありがとう!たしかに、そういう人っているよね。アプリって怖いね。」

 

すごく満足出来て食事の代金は払うつもりだったのに、お会計は彼が全部出してくれた。歳下で可愛い子なのに、こんなにもリードしてくれるなんて頼もしいしズルい。

 

彼の自分の心に正直で真っ直ぐな瞳と、その秘めた情熱に、雅美はかつての会社の社長を思わず重ね合わせる。

 

また食事に誘って欲しい…

 

こうして、彼女の中に火が灯る。

 

 

しかし、物語はまだ始まったばかり。これからも新しい恋愛成長日誌は普通ではないことを書き記していく。